AIはなぜウソをつく?「ハルシネーション」の理由と、今日からできる3つの対策
AIに質問したら、自信たっぷりに答えてくれた。でも、調べてみたら間違っていた——そんな経験はありませんか?
AIがもっともらしい間違いをすることを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。この記事では、なぜそれが起きるのかと、ふだんの使い方でできる対策をまとめました。
AIは「次に来る言葉」を予想して文章を作っていて、内容が正しいかどうかを調べているわけではありません。だから知らないことでも、それっぽく答えてしまうことがあります。数字・日付・名前・出典は特に注意し、最後は自分で確かめましょう。
1. AIは「知らない」と言うのが苦手
たとえば、存在しない町について「〇〇市の人口は?」と聞いたとします。AIによっては「わかりません」と答えずに、「約12万人です」のように、いかにもありそうな数字を答えてしまうことがあります。

文章はとても自然なので、読んでいる側は間違いに気づきにくいのがやっかいなところです。
2. なぜ起きる? AIは正しさを調べていない
AIの文章づくりの基本は、「次に来る言葉の予想ゲーム」です(くわしくはAIはどうやって文章を作っている?で解説しています)。
たとえば「この本が出たのは」の次に来る言葉を、学んだパターンから確率で選びます。このとき、AIはその答えが事実かどうかを、図書館やデータベースで確認しているわけではありません。

そのため、学習したデータに答えがない質問や、あいまいな質問をされると、「それっぽい言葉」が「それっぽく」つながって、間違った答えができあがってしまうのです。
文部科学省の学校向けガイドラインでも、生成AIは「統計的にそれらしい応答」を作るため、誤りを含むことがあると説明されています。
3. 特に間違えやすい4つのもの

- 数字:人口、金額、統計など。もっともらしい数字ほど要注意です。
- 日付:発売日、法律の施行日、歴史の年号など。
- 人の名前:本の著者、役職、発言した人など。実在の人に、言っていないことを言わせてしまうこともあります。
- 出典(本・URL):存在しない本のタイトルや、開けないURLを作ってしまうことがあります。
4. 今日からできる3つの対策
対策1:出典を聞いて、自分で開いて確かめる
「その情報の出典を教えて」と聞き、示されたリンク先を自分で開いて、本当にそう書いてあるか確認します。リンクそのものが間違っていることもあるので、「リンクがある=正しい」ではない点に注意しましょう。

対策2:「わからないときは、そう答えて」と頼む
質問の最後に、次のひとことを添えるだけで、無理に答えをひねり出すことが減ります。

対策3:もとの資料を渡して、その中から答えてもらう
説明書、お知らせのPDF、記事の本文など、正しい情報が書かれた資料をAIに貼りつけて、「この資料の中から答えて」と頼みます。AIが自分の記憶にたよらず資料を読むので、間違いがぐっと減ります。

ただし、個人情報や会社の秘密が書かれた資料は、AIに貼りつけないようにしましょう。
5. AIを使うのをやめるべき?
いいえ。AIは、要約、言いかえ、下書き、アイデア出しなど、「文章を作る・整える」作業はとても得意です。こうした使い方なら、多少の言いまわしの違いはあっても、大きな問題にはなりにくいでしょう。
大切なのは、「AIは物知りな予想マシン。最後に確かめるのは人間」と覚えておくこと。とくに、お金・健康・法律に関わることは、必ず公式の情報や専門家で確かめましょう。
まとめ
- ハルシネーションは、AIがもっともらしい間違いをすること
- 原因は、AIが「次の言葉の予想」をしていて、正しさを調べていないから
- 数字・日付・名前・出典は特に注意
- 対策は「出典を自分で確かめる」「わからないを許す」「資料を渡す」
- 最後に確かめるのは人間
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